生活保護の目的
日本国憲法第25条の理念に基づいて、生活に困っているすべての方に対して、その困窮の程度に応じて保護を行い、
① 最低限度の生活を保障し、
② 自分の力で生活ができるように自立を助長すること
を目的としています。
生活保護を受けるための要件
保護を受けるためには、各自がその持てる能力に応じて最善の努力をすることが先決で、そのような努力をしてもなおかつ最低生活が営めない場合に、はじめて保護が行われます。
具体的には下記の(1)~(3)を行っても最低生活が営めない場合に、生活保護が行われます。ただし、窮迫した事由がある場合(生命にかかわるような場合)は別に対応されます。
(1)資産の活用、能力その他あらゆるものの活用
ア 資産の活用
最低生活のために活用(売却等)することが必要です。ただし、保有が認められるかどうかは個別に判断されます。
◇ 宅地家屋、田畑等→処分価値や活用状況で判断されます。
◇ 自動車 → 原則保有が認められません。(例外として、山間へき地通勤者、障がい者等)
◇ 生活用品 → 地域の普及率を目安に判断されます。
イ 能力の活用
働ける方は働くことが原則です。(求職の努力をしても、実際に働く場がない場合は受給が可能です。)
ウ その他あらゆるものの活用
例えば、生活福祉資金などの貸し付けを受けることで、将来にわたり安定して生活していける場合は、貸付が優先します。
(2)扶養義務者の扶養
民法に定められている扶養義務者(夫婦、親子、兄弟姉妹など)からの援助が受けられるかどうかを先に確認します。
(3)他の法律による給付の優先(他方優先)
介護保険法や障害者総合支援法など、他の法律による措置や給付がある場合は、まずそれらの給付を先に受けることになります。
保護の決定
国が定めた基準で測定される最低生活費と収入を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に保護が適用されます。最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給されます。
※最低生活費:世帯の人数、世帯員の数・年齢・状況などによって、それぞれ計算されます。
①生活扶助 | 飲食費、衣料、光熱水費など |
②住宅扶助 | 家賃、地代、住宅の修復、除雪費用など |
③教育扶助 | 教材費、給食費、学級費など義務教育のための費用 |
④介護扶助 | 介護保険サービスを利用するための費用 |
⑤医療扶助 | 病気やけがの治療で、医者にかかるための費用 |
⑥出産扶助 | お産のための費用 |
⑦生業扶助 | 事業の費用、技能を身につけるための費用、高校の就学費など |
⑧葬祭扶助 | 葬祭のための費用 |
④と⑤は現物給付(医療や介護サービスを受けた費用を、直接県が支払います。)それ以外は金銭給付
保護を受ける方の権利と義務
【権利】
・正当な理由がなく、保護費を減らされるなどの不利益な処分をされることはありません。
・生活保護により支給されたものには税金をかけられたり、差し押さえされたりすることはありません。
・保護申請の却下や保護の廃止など不服があるときは、不服申し立てができます。
【義務】
・保護を受ける権利を他人に譲り渡すことはできません。
・無駄な支出を避け、生活の向上に努めなければなりません。
・働くことができる方は、その能力に応じて働かなければなりません。
・就労の開始、収入の増減、家族の増減、医療機関の受診など、世帯の状況に変化があった場合は届け出なければなりません。
・保護実施機関からの指導や指示に従わなければなりません。
生活保護費の返還
次のような場合は保護費を返還しなければなりません。
①資力があって保護を受けた場合
(例)
・年金や手当をさかのぼって受給した場合
・売るように指示されていた土地などが売れた場合
②不正な方法で保護を受けたり、収入をわざと申告しなかった場合(罰則あり)
生活保護の相談、申請手続き
制度や調査の方法についてご理解をしていただいたうえで、申請していただきます。
山形県置賜総合支庁保健福祉環境部 地域保健福祉課(0238-26-6030、0238-35-9051)へご相談ください。
申請には次のものが必要となります。
・申請者の印鑑
・預貯金通帳
・各種年金、恩給、手当などの証書や通知書
・給与明細(最近3ヵ月分)
・健康保険証
・生命保険の証書
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