ノロウイルスは、数年前までSRSV(小型球形ウイルス)と呼ばれた小型のウイルスで、感染によって食中毒症状を起こします。
ノロウイルスは非常に強い感染力があり、人のおう吐物や便のウイルスに感染して広がります。
これを「ノロウイルス感染性胃腸炎」といいます。
毎年冬から春にかけて流行しますが、近年では一年を通して発生しています。
◆ 感染経路
ノロウイルスの感染経路はとても多く複雑です。
食品から人へ感染する一次感染、人のおう吐物から感染する二次感染に分けられますが、原因が特定できないことも多いようです。
特に人から人への感染は、保育園や学校、会社、公共施設などで集団発生になる恐れもあります。
◆ ノロウイルスの特徴
・人の小腸で増殖し、水や食品に付着してもウイルスは増殖しない
・感染力が非常に強く、少ない量で(100個以下)感染する
・感染力が長期間持つ
・一度発症しても、何度でも感染する
・ノロウイルス胃腸炎を発症した人の便には、1g中に1億個以上のウイルスがあり、便に強い感染力がある
・ウイルスは手や物を媒介し、ドアノブやリネン類からも感染する
・乾燥したおう吐物は空中に飛散し、経口感染する
・加熱すると死滅する
◆ ノロウイルスの症状
下痢、腹痛、おう吐、発熱、倦怠感など。
ほとんどの場合軽症で終わりますが、体力のない乳幼児や高齢者は注意が必要です。
脱水症状にならないように、十分に水分の補給をしましょう。
水分がとれない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
ノロウイルスの症状が回復した後も、便からウイルスは排出されます。しばらくの間は衛生面に注意が必要です。
◆ 潜伏期間
体内にウイルスが入ってから1日〜2日で発症します。
感染しても症状がでない、風邪のように軽い症状ですむ人もいます。
◆ ノロウイルスの予防
・カキは中心まで加熱して食べる
・生で食べる場合は適正に処理された生食用のカキを新鮮なうちに食べる
・食品をなるべく加熱する(サラダ→温野菜)
・加熱は中心部の温度が85℃以上1分以上が目安
・おにぎりやサンドイッチはラップや手袋をして調理する
・生ものを扱う調理器具は別にして使用する
・調理器具、布巾などは煮沸や台所漂白剤などで消毒をする
・調理の前後には手をよく洗う
・おう吐物やおむつなど処理するときは、使い捨てマスクと手袋をつける
・汚物を廃棄する場合は、ビニール袋に密閉して捨てる
・おう吐物がかかった衣類は塩素系漂白剤で消毒し、家族の衣類とわけて洗濯する
・おう吐物などの処理後は、よく手を洗う(二度洗うと効果的)
・感染者が触れる場所(ドアノブや電話など)は消毒する「消毒液の作り方」
・感染者の入浴はシャワーか、一番最後の入浴にする
ウイルス感染の予防には適時の手洗いが大切です。
◇手を洗うタイミング
・帰宅後
・調理の前
・調理中(生もの、野菜それぞれの食材を扱った後)
・調理の後
・食事の前
・トイレの後
・おむつ交換、処理後
・鼻をかんだ後
◆ 消毒液の作り方
ノロウイルスには、アルコール性の消毒液は効果がありません。
次亜塩素酸ナトリウムの消毒が効果的です。家庭で消毒液を作る場合は、市販されている塩素系漂白剤を使用します。
一般的な台所用漂白剤(原液濃度5%)を使い、消毒液を作ります。
消毒する場所 | 消毒液の濃度 | 希釈度 | 水500mlに対して |
おう吐物などが飛散した場所・物 | 0.10% | 50倍 | 原液10ml |
ドアノブや手すりなど感染者が触れた場所・物 | 0.05% | 100倍 | 原液 5ml |
日常的な清掃 | 0.02% | 250倍 | 原液 2ml |
◇簡単な作り方
あらかじめ汚物は取り除きます。
清潔な布巾に消毒液をしみこませ、拭きます。
10分後に水拭きをします。
②つける場合
下洗いをした後、30分間消毒液につけます。
その後他の衣類と別に、通常の洗濯をします。
(色落ちが困る衣類は避けます。熱湯をかける消毒をしましょう)
・ペットボトルで作る場合は、誤飲しないように注意をしましょう。
・次亜塩素酸ナトリウムは時間とともに効能が弱くなります。大量に作らず、使い切る量を作りましょう。
・刺激性があるので、使用するときには換気をし、ゴム手袋を使用しましょう。
・手や肌の消毒はできません。
・金属類は腐食することもあります。消毒した後は念入りに水拭きをしましょう。
◆ お問い合わせ
町健康福祉課 健康医療室 86−2338
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